異文化のススメ

少年よ、大志を抱け。

 

と言ったのはクラーク博士ですが、

日本人よ、誇りを抱け。

とばかりに今私が心に思う言葉は、これです。

 

異文化のススメ

私が10代の頃大好きだった文筆家、作家さんの一人に

寺山修司さんがいました。

その寺山さんの著書の一つに

書を捨てよ、町へ出よう

がありました。

この本は何度もなんども読み返したものの一冊です。

 

アングラ演劇大好物な私は、

寺山修司さんももちろん大好きで、ほぼ本屋で見つけられる

文庫から大型サイズのものまですべてコレクションしておりました。

毛皮のマリーものちに舞台化されてものを観劇しましたが、

その独特の雰囲気に言葉にできない魅力を感じてはまり、

そこから演劇にもハマり始めました。

 

今でいう、推し、というやつなのでしょうが、

オタク、とも言えるし、まぁ趣味の領域を超えるくらいに

ずっと読んでいましたね。

ゲームやテレビ、ビデオ系のものは家が厳しくて

制限されていましたので、もっぱら自分で帰るのは

活字媒体と友人と見に行くエクスポ系の展示会くらいのもの。

 

やはり10−20代の頃、どんな本に出会い、どんな大人に出会うかは

とても大事なことだと思います。

特に思い出に残る教師、師匠との出会いは

残念ながらなかった私ですが、

大好きな本は山ほどありました。

 

寺山さんは青森の出身で、

お母さんは寺山ハツさんといって、

よくその著書に登場します。

寺山さんの故郷を思う愛情がものすごく伝わってくるのですが、

同時に故郷など早くに去って自立しろ、というような

メッセージ性も伝わってきて。

 

その熱い精神性は、私の中で岡本太郎氏とも

繋がってきます。

自分の中に毒をもて

といいつつ、岡本太郎氏はパリへ飛びました。

 

岡本太郎氏のお母さんは、

岡本かの子さんでありました。

確かどこかの著書で、岡本太郎氏は母であるかの子氏に触れていた

記憶があります。

 

男性にとってのお母さんは特別なんだな

という思いがずっとありましたが、

ずいぶん後になってから、母という存在はすべての人にとって

特別なんだという思いに変わっていきました。

 

異文化に触れ、その形の形態を体験し、暖かさとともに

違和感や痛み苦しみなど混沌を感じた後に思うのは、

日本を一度は出てみると、感じることも考えることも

受け取ることも変わってみえる、ということです。

 

いいことだけではない、でも、

私たちの知らないことやいろんな文化の源流、

私たちはどこからきてどこへ向かうのか。

どこを目指すのか。

どこへたどり着けるのか。

 

特に、どこからきたのか、ということは

意外と知っているようで何も知らなかったということを

思い知らされます。(いい意味でもです)

それは、もっと知りたい、という知識欲にも繋がっていったり、

謙虚ということばの意味を教えてくれもしました。

 

日本にいても異文化を学ぶことはできるし

体感することはあると思います。

違うということは、可能性の違いでもあって、

私たちはずいぶんな確率を通って出会っていて、

否定することもできるけれど、そこから何かを得ることもできる。

 

寺山修司氏、岡本太郎氏の著書、

読んでいない方は是非読んでみてください。